
技術・用語一覧


01
調整ボルトとは
ダイ先端に屈曲性を持たせ、流路のスキマを調整するための調整ボルトとなる。
溶融樹脂の流れをほとんど乱すことなく、精密な幅方向の厚み分布調整が可能になる。
ベンディング式調整ボルト
Tダイの本体が曲げられるような溝を設け、ボルトで押すことにより、リップの開度が調整可能となる。
開度は調整しやすいように溝と流路の距離(ダイ本体の厚さ)が
重要となる。
曲げやすくするにはより薄いほうが良いが、金属材料の降伏点を越えるような応力を与えると曲がりが戻らなくなる。
応力を考慮してベンディングリップは設計されている。
調整ボルトの差動ネジ構造2つのねじのピッチの差を利用して微小送りする。
(例)P2.5―P2.0=0.5P動作量は1回転あたり0.5mmしか動かない。
02
調整ボルト形状違いについて
リップ調整ボルトの代表的な形状と特徴について
①ボルト式
多くのフィルムダイに使われている形状である。
特徴
・ボルトとボルトとの隣のピッチ間が狭くできる。
・差動ネジのピッチが細かく出来る。
・点で押すため調整したときに、リップの変化がはっきり現れる。
→リップ開度の調整がしやすいのが利点である。
②フック式差動ネジ
シートダイで採用されることが多い。
特徴
・ダイ本体にかかっているフックが交換可能である。
・平面で押すために隣のボルトとの曲がり差が少ない。
なだらかなリップ変化が可能になる。


03
特殊調整ボルトについて
①フック駒入りボルト
角度が変わることで最大2mmまで動作可能となる。
②汎用ボルト追加工品
先端を固定して、押引き可能となる。



04
交換リップとは

基準
調整後
ダイス先端部のリップ部を交換することで、リップ隙間を大きく仕様を変更することができる。調整方法の早さや大きく調整できるなどのメリットもあるが、流路段差が生じるため滞留が起きてしまうデメリットもある。

05
チョークバー

チョークバーは、マニホールドとリップの間の中間流路に設けている。
このバーにより、マニホールド後の絞りを調整し流量の制御を行う。
チョークバー構造
チョークバーはリップ調整ボルトと違い、差動構造ではない。
ナットの回転方向は左回りでチョークバーが締まる方向となり、
リップ調整ボルトと逆である。
チョークバー
06
押出量(回転数の影響)
推進流量はスクリュー回転数に比例して増加する。
しかし、押出量の増加に伴い、ダイ圧損が増加し背圧流量が増加するため
実流量は低下する。
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07
押出量(計量部溝深さの影響)
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推進流量は計量部溝深さに比例して増加する。
一方背圧流量は計量部溝深さの3乗に比例して増加するため
極端に溝深さを深くすると実流量は低下していく。
また、溝深さを深くすると混合度が悪化するため、細心の注意が必要である。
08
押出量(シリンダー径の影響)
実際にスケールアップを行なう際には、樹脂の剪断、伝熱を考慮し、
溝深さ・スクリュー回転数の変更を伴うため、2乗では無く、
2-2.5乗で増加する。
*簡易的には2.1乗で概ね算出できる。
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09
押出量 推進流量
10
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押出量 背圧流量
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11
押出量 絞り比
12

スクリュー形状の表し方
13

スクリュ 圧縮比の目安
14
スクリュ 圧縮部長さの目安


15
スクリュ 混合度
16
スクリュ 溝深さの影響

17
スクリュ 剪断発熱
