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ハステロイダイ
フッ素用耐腐食用Tダイの事例
フッ素樹脂は、どの種のフッ素樹脂に対して、どのようなTダイの仕様で対応するかが変わってきます。フッ素樹脂はPTFE、FEP、PFA、ETFEなどさまざまな種類がある。PTFEは一般的に圧縮成形で成形されるが、その他のフッ素系樹脂は押出成形が可能であり、耐食性が強い順にTダイの仕様も変更しなければならなりません。
耐食性が強い・・・・・・ハステロイ製Tダイ
耐食性が多少強い・・・・ニッケル系無電解メッキ+クロモリ鋼
耐食性が弱い・・・・・・硬質クロームメッキ+クロモリ鋼
融解温度は350℃(種類による)
無電解メッキや硬質クロームメッキは、保守で半年~数年に一度は脱メッキ再メッキを行うことが必要である。ハステロイ製のTダイは、材料がとても高価で、難削材である。クロモリ鋼よりハステロイ材は数十倍の材料費がかかり、加工時間も数倍掛かる為、一般的なTダイよりかなり高価なものである。ただし、腐食性が少ないため、運転後数時間停止して再運転しても、腐食性ガスの影響は無い。またハステロイダイは変形性が強く曲がりやすい。新品で使用しても、数十回の使用や吊った時の力でTダイの芯直度がくるってしまう。曲がりの数値は1~2mm/1000mm幅ほどある場合もある。こちらも数年に一度補修をお勧めする。ダイ外形の曲がり取りを行い、再研磨再ミガキを行うことで新品同様に使用できるようになる。別件、耐食性が強い場合には、リップ調整ボルトやダイ本体締付けボルトなどは、無電解メッキを行い、フッ素の腐食性ガスによる腐食対策を行う場合もある。このメッキを行うこととで腐食による交換が数年伸びる例もある。

<弊社制作実績 ハステロイ用ダイ>(ご参考写真)



<何故、ハステロイの加工が難しいのか>
ハステロイという材料は、加工硬化が生じやすく、加工時の工具との摩擦熱が加工工具に大きな負担をかけるため、通常材料の数倍のスピードで工具損耗が進んでしまいます。ついては、切削の速度の調整を非常にシビアに管理しなくてはなりません。
「ハステロイの加工を断られた」
というお話を聞くこともございます。
ハステロイの加工は工作機械を保有している工場様であれば技術的に可能ですが、Tダイという大型かつ高い精度を必要とするものになるとほとんどのメーカー様は対応ができない。という回答になるかと思われます。その理由ですが、1つは先に挙げた加工の難易度の高さです。また、ハステロイの材料は非常に高価な材料になるため、ミスした時のリスクが非常に高く、ほとんどの加工メーカー様は「割に合わない」というイメージがあり、加工に積極的に取り組まないという現象が起きていると予測しています。
弊社では、大型Tダイの基本的な加工方法を熟知し、ハステロイ製のTダイ製造に長年携わっているため、加工に対する
緻密なノウハウを保有しており、年間3~4台のフッ素用ハステロイダイ、ネック、フィードブロックの制作実績を誇っています
<フッ素用Tダイの特徴>
また、金属を腐食させる特性があるので、樹脂の通り道は全てハステロイで制作する必要があります。
ネックブロック・フィードパイプ


シリンダー・スクリュー(耐腐食性能)

