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フィードブロック
多層フィードブロック法
シングルマニホールドダイの手前で樹脂を合流させる方法。フィードブロックの特徴として2種3層や3種3層、3種5層、単層など切替弁を入れ替えすることにより、色々なフィルムやシートが生産できます。ただし内部が1つのブロックで樹脂流路が複雑に入り組んでいるために、多少の滞留が出来る恐れがある。Tダイの樹脂流入口は、小判型や四角などフィードブロックの出口と同じもので、フィードブロック用Tダイが必要となる。切替弁は、各層の位置の変更が簡単にでき、また滞留なども考慮して1層の樹脂流路を2つに分けて樹脂が入っていない流路にも流れて合流させることが可能です。各層の厚みは押出量か整流ピンで調整する。フィードブロックの種類にはベイン式(羽の角度を変えて各層あつみを調整)や積層ブロック式などがある。
スタンダードなフィードブロック形状(参考画像)




スタンダードなフィードブロック形状(参考図)
<流路のモデリング画像>




フィードブロック方式の多層フイルム成形は
<メリット>
・カートリッジ方式では樹脂の各層の入れ替えが短時間で可能
・分解しても流路が半分に分割されないために、内部を傷つけにくいので分解清掃が簡単です。マルチマニホールドと比較して安価に製作ができる
・Tダイに比べるとコンパクトで、取り回しが利くフィードブロック用の専用Tダイであれば、どのリップ幅であっても取り付く(流入口はフィードブロックの長丸形状の出口に合わせる)
<デメリット>
・各樹脂の厚み比を細かくコントロールできない各樹脂の粘度差が大きい場合、合流してからの流路が長いために厚み比がばらつく
・ブロックを複雑に組み合わせたものが多いために、樹脂漏れなどが多い
・カートリッジの外周をつたわり、樹脂の合流部だけではなく、別の位置でも合流してしまい、フィルム製品の不具合を発生させる
・流路は丸形状ではなく、四角形状が多いために、スミ部に樹脂が滞留してしまう流路部に
クロームメッキがのりづらい場合がある(カニゼンメッキの場合もある)
という特徴が挙げられるが、
弊社ではメリットを活かしつつ、デメリットを極力まで低減する設計方式をとっております。
<FBご参考写真>




<フィードブロックデメリット低減設計例>


調整ピン
ハンドル
目盛り

フィードブロック式の多層成形の場合、樹脂の包み込みが発生することがある。
包み込みを改善するため、曲げベインや曲げビークを利用し、中心層の包み込みを低減させる方式をとって、
中央部分の膜厚をコントロールするノウハウが弊社にはございます。
<積層式FB 式の場合>
積層式FBは、押出機よりフィードブロックに供給された原料を積層ブロックを用いてフィードブロック内で分岐をさせる(例、3種の原料を5層に分ける)積層式ブロックは平面同士で流路を密着させるため、樹脂漏れを起こさないようにシール面の面圧を考慮した設計が必要。ボルトの配置やシール面のザグリ等のノウハウが詰まっております。



合流部(ビーク)




積層式FBの場合には、合流箇所にTダイ形の細い合流部を設けている形式のものがございます。
合流部の流路寸法を曲げることにより各層の層比率を変化させることが可能です。
包み込み対策も合流部を「曲げ」ることで対処が可能になります。フィードブロックのノウハウは弊社独自のものです。


<チョークバー方式>
外層チョークバー式。樹脂の粘度が変わったり、押出量が変わったりすれば、Tダイ形状の流路内の流れも変わってきます。その流れを揃えるためにはチョークバーを用いて流れを揃える方式もございます。チョークバーは全体的に動くのではなく、チョークバーに溝を掘っておりフレキシブルに動くような構造にしてあります。この手法は外層を主層にのせる際の調整に効果を発揮いたします。


外装部の材料がフィルムの種類によって変更されると、当然粘度も流速も変わって参ります。このチョークバーで流路の隙間を調整することにより、樹脂の流れを変化させることにより調整が可能となっています。
チョークバーは、Tダイフィードブロックを分解せずに、装置に装着した状態での調整が可能。
生産条件出しの段階で、細かい調整ができる構造になっています。


